同じ日本人で感謝したりして。

そのひとが日本人でよかった。とくに、そのひとたちのおかげで、暮らしや気持ちに安心感を得ている。いわゆる偉人である。

起業家なら、たとえば松下幸之助、本田宗一郎、井深大(ソニー創始者)であり、近年なら孫正義、前澤友作(ZOZO創始者)といった面々。

起業家が旗振りをした価値により新しい仕事が生まれ、また利益も生まれる。売上総利益から年金や健康保険が納付され、また経常利益から納税され…そのお金は行政により、一人ひとりではかなわない(橋や道路、医療や介護といった)インフラが作られ、維持される。

そして、もうひとつ。同じ日本人でよかったという、なにわいがある。それは作家である。こちらは起業家とくらべ、いささか個人的に、である。

日本の、好きな作家は多い。あえて2人選べといわれたら、宮沢賢治と夏目漱石を選ぶだろう。

宮沢賢治は、ぼくにとってギリギリの言葉で迫るひとである。その言葉がウソっぽいという人も、いないわけではないけれど、それを言ったらおしまいで、なんて言うんだろう、賢治の言葉は際(きわ)をいっているんです。

漱石には、その哲学的な内容に影響を受けている。それに触れるのなら小説よりむしろ、漱石の講演集を読む方がクリアになるとおもう。

漱石は講演に集まるひとの属性に合わせ内容を語っている。そのことから、漱石は相手のことを十分考慮する先生である、と推測している。

書かずにいられないから漱石は小説を書いたとおもうけれど、その一方で(ふだん、入り組んだ内容に出会うことのない)じぶんの考えを大衆に知ってもらうために、小説としてストーリィにした。そうおもっている。こちらも、あくまでの推測である。

ま、いずれにせよ、賢治にしても漱石にしても日本人であり日本語で語っている。これがありがたい。というのも(外国語が苦手な僕にとって)海外の書籍はどうしても翻訳で読むことになる。そのとき、しらずしらず翻訳が気になってしまっている。それは、「ちゃんと翻訳されているのかな」であり、とくに好きな書籍なら翻訳家を通さず、できるだけ作者と直に「対話」したいからだ。

宮沢賢治なら、その素晴らしい言葉に翻訳を介せず触れることができるし、漱石の考え方にも日本語で読むことができる。

気づいたことを、お気軽に。
公開まで、やや時間がかかりまーす!