「社会科学の方法」

「社会学の方法」(大塚久雄/岩波新書)は、とても参考になる一冊だ。

自分の中のモヤモヤした感じが、言葉になっている感じさえする。名文だとおもう。

備忘録として、抜粋する。

「人間の行為を直接に支配するものは、理念ではなく利害である。しかし理念によって作られた「世界像」は、きわめてしばしば転轍手ー機関車の進行方向を変えるあの転轍手ですーとして軌道を決定し、そしてその[理念が決定した]軌道に沿って利害のダイナミックスが人間の行為を押し上げてきた」(p82)

「いまわれわれの置かれている苦難の状態がいったい何に由来し、また、どうすればわれわれから救い出されるか、それの解明を導き出しうるような世界観、あるいはそうした世界の意味を教えてくれる理念、そのような理念を宗教はその核心に持っており、人々はそうした理念に照らして解釈し、行動を決定していくことになる」(p83)

「利害関係を時間的あるいは空間的に、どの程度まで広く見とおし、どのような範囲でさまざまな利害を組み合わせて、どのようなヴィジョンをつくるかということは、まさにそれぞれの個人の抱いている理想に照応することになるわけでしょう」(p85)

気づいたことを、お気軽に。
公開まで、やや時間がかかりまーす!