行政は一度決めたら止められない。

日本の政治・行政は一度それを決めたら破壊的になるまで止まらない、という説がある。

先の大戦がそうでしょう。

猪瀬直樹の代表作に「昭和16年夏の敗戦」がある。

日米開戦前に集められた若手官僚によるシミュレーションでは、日本の敗戦は決定的だった。しかし当時決められた方向を変えることができず、結果は周知の通りとなった。

現在でも、身近な例として同様に思う。

ひとつは、新型コロナ対策に際して。

コロナ渦の混乱の大きな要因として、対応できる病床数の不足があった。

そして菅さんの豪腕を持ってさえ、旧来の厚労省の路線を変更することはできなかった。

「出口」の変更が出来なかったしわ寄せは、一方の「入口」、つまり人流の抑制にばかり注力され、飲食・観光業に多大な損失を与えた。

行政が一度決めたら変更できない、もうひとつの例がマイナンバーカードだ。

ちなみに、マイナンバーとマイナンバーカードは異なる。

前者は国民全員に割り当てられている番号で、後者はその番号と本人の一致を示すカードだ。

なので、マイナンバーは国民すべてが持っているし、一方のマイナンバーカードは本人が申請しない限り手元にない。

マイナンバーを示すのは、なにもカードでなくても良いだろう。本人と紐付けさえされていれば良いのだから。

現に、銀行や買い物に使うスマホのアプリで、それが出来ているわけだし。

それにも関わらず、政府はいまだマイナンバーカードを推進している。1兆円もかけて、まだ普及率3割なのにねぇ。