いちじき、城山三郎を好んで読んだ。「男子の本懐」も読んだ。とうじの蔵相・井上準之助のその名は、おぼえている。本タイトルと相まって、良い印象だけ残っている。
せんじつ、日銀より現状の経済状況の発表があった。コロナ渦にあって「深刻な状況」だという。つうじょう抑制した表現になる日銀が「深刻」という以上、そうとう深刻なんだとおもう。
「男子の本懐」の時期、日本は深刻なデフレ下にあった。
「昭和恐慌」を定量的に示した書籍のページをめくってみた。専門書なので、難しくて読めなかった。
けれど、表とその周辺の気になるところ(3〜4ページくらいだけれど)は繰り返し読んだりした。
井上の蔵相時代、たしかに物価は低下していて、それに対し、同氏は国債の増発は行わず、物価、株価、土地の価格は下落している。
それが反転したのは、次の蔵相・高橋是清の大胆な施策による。
いわゆる、アベノミクスの「第一の矢」、日銀の異次元の金融緩和は効果があったとおもっている。
需要が低迷しているあいだ、数十兆単位のマネーが供給されても、インフレは起きていないし、なにより失業率は下がっている。
同様に、コロナ禍の中にあって、政府・日銀がもし大規模な経済・金融制作を行っていなかったら、げんざいは、ほんとうに深刻な状態になっていたとおもう。
個人的に、不要なしごとは、現状にあったもの、先どりしたものに変わっていかなければならないと、おもっている。その点、アベノミクスの「第3の矢」の効果には失望している。
新型コロナウィルスが「禍い転じて福となす」になってくれれば良いのだけれど…