共同の観念

「「古事記」や「日本書紀」のように神話的な記述を読んでいったとき、なんら荒唐無稽な物語でも、それと種族・民族の共同の概念が非常にリアルに接触していると思われるものがあれば、その物語にはそうとう重要な事実が含まれていると考えていい。ユングがいうとおり、共同の観念というのは、そう簡単に変化しないものなんですよ。」

(「吉本隆明 質疑応答集 人間・農業」/論創社 P105)