「こころ」の言葉

本は、わりと通読している。

通読の良い点は、思い出したように再読したとき、以降、肩の力を抜いて読めるところにある。

パラパラめくって、目の止まったところだけ読むのもいい。そんな感想を持つことも出来る。

漱石の小説は、すべて読んでいる。ゆいいつの自慢である。

小説をめくると、「あ、この数行だけで、漱石のこだわりが読める」と思ったりもする。

いちばん繰り返し読んだ小説は「こころ」だネ。

漱石は、小説により文体がちがう。

「こころ」に限っては、前半と後半の文体がちがう。

後半は、暗く、深刻な文体になっている。

漱石は、ぎりぎりの言葉で書いている気さえする。

「ぎりぎりの言葉」感で言えば、宮沢賢治の詩にも同様の印象を持っている。

人によっては「それはウソだよ」という指摘をするかもしれないけれど、

ま、ぼくのばあい、それは「ぎりぎりの言葉」なんだよねぇ。