「飢餓からの脱出」

1)食べ物の近くに住んでいた。

土人というのかねぇ。

何万年前、ぼくたちの祖先たちは大地から生える植物、そして木の実を食べ、生命をつないでいただろう。

それでも植物や木の実は季節によるし、その年によっては、実りは少なかった。

なので、いつでも、そこに行けば採れる貝を食べた。その場で食べたり、すぐ近くの住居に戻って食べた。土器のない時代なので、生で食べた。捨てた貝殻は、げんざい、貝塚で確認できたりする。その一。

コメの栽培は低湿地で行なわれてきた。洪水の危険にさらされながら、移動することなく、その地に定住した。その二。

その一、その二から => ロジスティックスの発達する前、ぼくたちの祖先は、食べ物の採れる近くに住んだ。

2)律令時代に、すでに金利はあった。

きのうのブログで、お金のこだわりは室町以降と書いた。

それは、そうとして(お金というより、米などの貸し借りとして)利息付きの貸し借りは、律令制である8世紀には、出挙(すいこ)という制度により行なわれていた。

公出挙(くすいこ)と私出挙(しすいこ)があった。

前者は公が民に貸し出すもので、当初の年利は50%だったが、民衆を圧迫するということで年利30%に引き下げられている。

後者は私人どおしの貸し借りで、年率100%である。

高金利であり、言うまでもなく、民衆の生活を圧迫した。

3)最新の技術により統率され、生産性もあがった。

古代、鉄は権力の象徴だった。たとえば、王朝は官位に応じて貴族たちに鉄製のクワを与えた。貴族たちは所有する農民に、それを与えて農耕にあたらせた。貴族たちは、農具により農民を統率し、また高い生産性を上げた。

以上、「飢餓からの脱出」(宮本常一 / 八坂書房)より、気になる点を、まとめさせて頂いています。