ジョージ・オーウェルの「1984」では最終的には主人公のウィンストンはビッグブラザーというイデオロギーへの反抗を見透かされ、薬物や拷問により暴力的に彼の内面まで変えられてしまう、マインドコントロールされてしまう。
オーウェルの生きた時代は社会主義や共産主義が盛んだっただろう。
このへんは僕たちは世代的にも詳しくないけれど、たぶん作者のオーウェルは平等とか労働者のためとか旗印にしている社会主義や共産主義の欺瞞や暴力性について、このラストシーンを比喩として、メッセージとして伝えていると思う。
ではオーウェルは何を理想にしていたのか。
時間が許せばオーウェルのエッセイまで広げて読んでみたいけれど、この小説を読んだ限りでは主人公のウィンストンあるいは母親の世代に対する憧れ、そしてそれを引き継いでいるプロール(労働者たち)に期待していたにかもしれない。
理念ではなく、もっと地に足の付いた感じ。