菅首相は、新型コロナ感染に関する記者会見の際に、ワクチン接種の実績について触れることがある。
「新型コロナウィルス感染対策」(首相官邸)をチェックしてみた。
ここにはワクチン接種の人数や比率が示されている。
項目は「全体」「高齢者」「職域接種」となっている。
残念ながら、これは政府がアピールできる項目のみとなっている。(もっとも、「職域接種」は途中で思わくどおりに行かなくなってしまったけれど)
菅総理のいう「ワクチン接種の実績」には、ふたつのミスリードがあることを指摘したい。
ひとつめ。
コロナによる重篤の可能性の高い高齢者に2回、2か月半で、8割以上への接種は誇れることだと思う。
一方、首相官邸の発表を元に概算してみると、12〜64歳までの2回の接種率は25%ほどとなっている。
ふたつめ。
6/4からお盆前まで、たしかに菅首相の言うとおり(1回め、2回め接種合計で)100万回を越えているが、それ以降、100万回を切っている。
政府の示す直近のデータ、8/19には273,275人となっている。
オッケー、まとめてみよう。
菅首相「ワクチン接種は進んでいるじゃなりませんか」
たしかに菅さんの強いリーダーシップにより、高齢者への接種は早く進んだ。
けれど、
1)お盆過ぎから急激にペースが落ちている。
2)高齢者以外の接種率は1/4程度に、とどまっている。
これには、2つの誤算があったようにおもう。
ひとつは、ワクチンの流通がうまく行かなかった(あまる所がある一方、不足するところが出てきた)
ふたつめは、既存のコロナを所与に置いていたことだ。デルタ株による感染力の強さを前提にしていなかった。
菅政権の特徴(菅さんは一点突破の人の印象あり)は、ひとつの問題点に対し、とても有効だとおもう。
でも一方では、菅さんは、プランB、プランC…といったふうに、他のプランを用意させ、しかも、決定に際して、それを同列に見てはいないともおもう。あるいは、
都合の悪いデータは、菅さんに上がって来ないというのも十分あるわけで。
ご自身がウェッブでデータをみたり、コードを書いて任意のデータを作る。その上で、官邸の周りの人に「これ、どう?」という聞き方が、一番、有用だとおもったりもする。
河野太郎は、できそうな感じがするなぁ。