スティーブ・ピンカーが「クリエ」に寄稿していた。
その中で、戦争は死者1000人以上と定義されている。
この定義に倣うなら「ウクライナ侵攻」は「ウクライナ戦争」と言っても良さそうだ。
個人的にケンカには、どちらにも分(ぶ)があると思っている。
違う言い方をすれば、いずれにも原因がある。
最大規模のケンカは戦争だろう。
「ウクライナ戦争」に対する世論は、少なくとも日本では、全てロシアに原因がある論調がほとんどだ。いわゆる勧善懲悪になっている。
ここでは、あえて反対の視点から書いてみようと思う。
ウクライナの内閣は若い。大統領のゼレンスキーは44歳、副首相のフェドロフ副首相は33歳である。
ロシア侵攻により破壊されたウクライナの通信環境は、衛星から通信を行うスターリングのサービスで補われた。
スターリングのサービス使用は、フェドロフ副首相から(スターリンクCEOである)イーロン・マスクへの要請により実行された。その際にはツイッターが利用されている。
仮想通貨寄付の呼びかけは、ウクライナ政府の公式ツイッターで行われている。その後、各種暗号通貨が送りやすいインターフェイスのウェッブサイトも立ち上げられている。
https://donate.thedigital.gov.ua/
ゼレンスキー大統領は、前職はテレビ番組制作会社を立ち上げ、テレビ製作などを行っていた。映像の見せ方には慣れている。さらにリモートを利用したアメリカ、ドイツ、日本等の各国議会の演説、国連での演説で見られる通り、演説のシナリオは上手に練られているらしい。
要は、ロシアに比べ、ウクライナーはメディアやSNSの使い方がとても上手なんだね。一方のロシアは時流に乗り切れず、しかも口下手である。
「ウクライナが完全に善である」的な印象は、このことが大きく起因していると思う。今までも旧来とは全く違うメディアや技術が現れた時、それを上手く利用した方が優位に立てたかも知れない。
一方、ロシアにも分があるという意見もYouTubeにて、少数ながら確認できる。
オッケー、記憶を頼りに書いてみよう。
ドイツの東西統一(ソビエト崩壊かも知れない)の際に、当時のゴルバチョフ・ロシア大統領と、ベーカー・アメリカ国務長官の間で「NATOの勢力範囲は1ミリとも動かさない」という口約束が交わされたらしい。
しかし、この約束は守られず、ポーランド、ハンガリー他、旧東側諸国が次々とNATOに加盟していった。そしてウクライナも加盟を願っていた。プーチンは「約束は守られていない」ではないかと。
ウクライナーは東西で文化や言葉が違うらしい。東側はロシア文化が根強く、ロシア語を使っている人も多い。なので東側に住む人はロシア側に付く人が多いという。しかしウクライナ政府はそのことを認めず、圧力をかけていたらしい(ロシア側からネオナチと呼ばれる人たちは弾圧も行っていたらしい)。
そのほかロシアにてとってのウクライナの思いや、ミンスク合意など、いろいろな要素がからみあっているみたいな。