『強い円 強い経済』という書籍が好きである。著者は、元日銀総裁の速水優さんである。
円は強いほうが良いと思っているのは、この書籍の影響だ。そうでなければ、じぶんの頭で「円高がいい」と思えるはずがない。
ほんじつのNewsPicsには、日銀の黒田総裁を評価する記事が出ていた。
そのなかに、意外にも「量的緩和のはじまりは、速水日銀総裁時代である」という一文が出ていた。
速水さんは円高を評価していたので、円安を助長する量的緩和をはじめたとは意外であったけれど…
いや、待てよ、量的緩和をして引きしめるタイミングが早すぎたとか、なんとかで、批判されたりして…
あ、そうだ、ITバブル崩壊による景気後退は、お前のせいだという論調さえあったんだよねぇ。
ところで、げんざいの黒田日銀総裁は いわゆる異次元緩和により、消費者物価指数を2年間で2%上げるというコミットメントを出した。しかし、これは2013年3月の就任のころの記者会見である。すでに3年半たっている。実現していないことになる。
で、2、3日前に、黒田総裁のこれまでの総括を発表する記者会見があった。YouTubeでみてみた。
ざっくり要約すると「これからは、消費者物価指数2%上昇の期限を区切らず、安定的に2%上がるまで施策を続ける」そうである。「来年後半には、国債保有残高がGDPより多くなる」という発言をしていることから察すると、もう、日銀のなんとか会議のあとの記者会見で、びっくりするような量的緩和はしませんよ、と言っているようなものだとおもう。
それに、マイナス金利の深掘りは、金融機関から非難が噴出しているようだし。
ま、それはさておき、政府の発行する国債を大量に買い、多くの上場企業の大株主になるほど株を買っている日銀は、ひとりで日本の経済を背負っているようなかんじだよねぇ。
個人的な感想としては、日銀の量的緩和、そのほかの施策は、つぎの新しい日本の様態があらわれるまでの助け(時間稼ぎ)になるとおもっているわけ。肝心なのは、そのあいだに、たとえばアメリカでいえば、グーグルやフェイスブックのような会社が出てくればいいやとおもうけれど、
ま、ごぞんじのとおり、日本はそうなってはいない。というわけで、日銀がせっかくフォローしているのに、政府はなにをやっているんだということになり…じっさいに今秋の臨時国会では補正予算(4.5兆円 事業規模28.1兆円)というわけだけれど…どうなんだろうなぁ。根本的には、日本の同調圧力がすごすぎるからのような気がするんだなぁ。