「暴力の人類史」(スティーブン・ピンカー)を読んでいる。
近年、人口あたりの暴力の件数は減っているそうである。17、18世紀から急激に減少している。
本書に示されているイギリスの一人あたりの実質所得は、産業革命以降、指数関数的といってよいほど伸びている。
「暴力率」の減少は、この所得の急激な伸びと関係あると言いたいとことだが、
残念ながら、所得の伸びと、暴力の減少の時期は1世紀ほどズレている。
軌を一にしているのは、意外にも、グーテンベルクが活版印刷を発明した以降の印刷物の伸びである。
小説など役に立たないといわれて久しい。
けれどディケンズといった小説が読まれることで、じぶんとは縁遠いひとに思いを馳せ、共感することが暴力の減少につながっていったと、まぁ、そんなことが書いてある。