「鉄腕アトム」にはAIが搭載されているでしょう。アニメに限らない。近未来的な小説や映画でも、ときどき出てくる。

その影響もあり、人工頭脳は、まるで人間の脳のようにふるまうように思われがちだ。

一方、げんざいブームになっているAIは、たとえば Siriのように話しかけてきたり、たとえばチェスや囲碁の世界チャンピョンに勝ってしまったり。ひとつのことに特化したAIである。

AIということばを分かりにくくにしているのは、「鉄腕アトム」のような全人間型と、「囲碁ゲーム」のような特化型がゴッチャになっているからだと思う。

ちなみに「囲碁ゲーム」につかわれている技術はディープラーニングである。技術的なことは、ぼくの能力ではとても説明できないけれど、こういうことは言えそうである。

ちょっと、遠まわりしてみる。黎明期のコンピュータはエニアックである。開発者の名まえは忘れた。しかしノイマンの名まえは残っている。いわゆるノイマン型コンピュータは現在のコンピュータのひな形である。

ノイマン型コンピュータは、UNIX、オブジェクト指向、ウェッブ…などなど、そのときどきの画期的なアイデアが採用され発展しつづけてきた。

げんざいのAIブームになっているディープラーニングは、そのなかの、さいきんの画期的なアイデアの実現である。

「鉄腕アトム」のような全人的なAIは、従来のノイマン型ではなく、まったく別のアーキテクチャーによるものだ。

ひとつの技能に長けた「囲碁型」は、これから、ますます広まるだろうけれど、全人的な「鉄腕アトム型」は、新しいアーキテクチャーが生まれ、それから先になるので、ずいぶん先になると思う。「攻殻機動隊」の世界観が現実になるのも、まだまだ先のおはなし。