「21世紀の啓蒙(下)」

 

きのう、ピンカーについて書いた。

西欧の、啓蒙主義や進化論が自明になっている点には賛成しない、

と言っても、啓蒙主義的なことには賛成である。

「21世紀の啓蒙(下)」では、予測の研究結果について触れている(P260〜)。

「(予想の)実験の成績が悪かったのは、何かしら思想信条に固執し、それを自身に結びつけている人だった」という。

ちなみに、その結果は、チンパンジーのダーツの的当てより低い確率だったそうだ。

一方、確率の良かったのは以下のようなプロファイルとなっている。

「これらのグループは現実的な専門家で、数多くの分析ツールを使い、しかも取り組む課題に応じて使い分けた。彼らはできるだけ多くの情報源からできるだけ多くの情報を集めた。そして考えるときには「しかし」「でも」「とはいえ」「その一方」といった転換語を使って頻繁に頭を切り替える。また確実性についてではなく、可能性や確率について語る。誰でも「私が間違っていました」とはいいたくないものだが、彼らは他のグループより素直に間違いを認め、考えを変えた」(P263〜264)