「コピー年鑑」を1990年版まで一覧してみた。コピーライティングの傾向が変わってゆく感じが、はっきり分かった。もっとはやく、やっておくべきだったよ。

あ、変わった。そうハッキリ感じるのは、湯村輝彦がカバーと挿絵を描いている1977年版から。もちろん、それ以前にも土屋耕一さんなど、いらしたけれど。ここから商品や企業寄りの説明調のコピーから、コピーライターの考え方や感じ方が威勢よく書かれていくようになる。いわゆるコピーライターブームと軌を一にするかんじです。

とくに年鑑をめくってゆくと、西武デパートのコピーに目が止まってしまうんだなぁ。キャッチコピーとしては、「じぶん、新発見。」「不思議、大好き。」「おいしい生活。」があげられる。

自分新発見

 

じぶん、新発見。

うまれた時から、人間て、ずいぶんと大きなエネ
ルギーを充電させているらしい。その、自分でも
ビックリするような(もしくはウットリするよう
な)力を、どうやって見つけだすのか、のばすの
か。これが、これからの課題みたいですネ。でき
るかぎり、あなたの可能性を見に手をかしたい。
西武も、いま、可能性を発見中。期待してください。

で、このイキのよさは1983年版まで、だと思う。84年版にも「タコがいうのよ」「ランボオ、あんな男、ちょっといない。」(サントリー)など印象深い広告があるけれど、このへんからコピーが立っているという感じではなく、ほかのイメージに依存してゆくようになってゆく。「タコ」は田中裕子の雰囲気とナレーションに、「ランボオ」はランボオの蓄積されたイメージに。

同年、ペンギンがビールを飲む広告があったけれど、これはイラストと松田聖子の歌による所が大きいよねぇ。

 

ペンギン

 
その後は、輝かしかったコピーのひとり立ちの時代は終焉し、どちらかというと広告全体で感じを伝えるようになってゆく。と同時にフリーランスの威勢のよい時代は静かに去ってゆき、社内でチームを組みやすい大手代理店の時代になっていった、と思う。1987年版の「プール冷えています」「至上最低の遊園地」(豊島園)など、その代表例かな。
プール冷えてます