ネットを利用しはじめたころは、ネットは、あくまでツールとして使っていて、「あ、すげぇ便利だわ」という感じだったんだね。

一例をあげてみよう。

ネット以前は、文字指定された原稿をファックスで送り、それを見ながら写植屋のおっさんが、印刷に使えるような文字を打っていた。そのあと、デザイナーがマックを使いはじめるようになると、原稿を保存したフロッピーをバイク便で、デザイナーに送ったり、まぁ、そんなふうにしていたわけ。

なので、ネットで原稿を送れるというのは、新鮮だったんだなぁ。「メールで原稿を遅れたときは、ほんと、興奮してしまった」と言っても、いいすぎじゃないね。

じっさいに時間も節約できるし、経費だって節約できた。だって、千駄木(文京区)から表参道まで、バイク便を使って(原稿を保存した)フロッピーを送ると、2000〜3000円もかかったんだぜ。

ま、もっとも、メールで送ったときのトキメキは、遠い良き思い出になってしまった。現在、ネットはツールというより、媒体としても存在感が増してきた。新聞・雑誌・パフレットといった旧来の媒体は、ネットにその領域まで侵食され、僕たちの職業に影響しはじめた、というより、ノックアウトしはじめたわけ。あれ? へんな終わり方になってしまったね。

sakana