官軍がどの時点から新政府となったのか、ぼくは知らない。かりに鳥羽伏見の戦いの勝利からだとしよう。
新政府は、鳥羽伏見の戦いのあとも、抵抗する藩と一線を交わらせなくてはならなかった。戦費が必要だった。
ある書籍によると、戦費は三井といった両替商が引き受け、不足したぶんは、急きょ天保通宝を鋳造したそうである。
幕末になるに従い、幕府の発行するお金の質は落ちていったことは、よく知られているけれど、新政府の発行した、この天保通宝はそれ以上の悪貨だった。
悪貨はニセ金をまねく。
とうぜん、ニセ金をつかまされた人は怒る。それによる暴動も起きた。外国の商人もクレームをつけた。
それに対し、新政府は外国人には正貨と交換することを約束し、日本人には太政官札という札と交換した。
江戸時代は、東日本では金貨が流通していたし、大阪などの西国では銀が匁(もんめ)という重量で流通していた。なので太政官札という紙をもらっても、なんとなく、なじまなかっただろうよ。
さらに樹立したての、というか、鳥羽伏見の戦いには勝ったものの、その後の各地の戦況次第でどうなるか分からない新政府が発行した紙幣では、不安感が助長されたに違いない。
以上、思うままに書いてみた。書いているうちに、お金は信用に裏打ちされていなくっちゃね、という感じが、ちょっとだけ、つかめた。
(イマイチ仕組みがよく分からないけれど)ビットコインを支えるブロックチェーンは技術的にすぐれているそうである。ただ、技術と信用は、まったく違った相であって、普通に使われるようになるのは、まだまだ先のように思える。
もっとも、金融機関は信頼されているわけだから、各行がブロックチェーンの仕組みを取り入れていくことはアリだと思うし、NewsPicsといったネットのキュレーターによると、すでに金融機関は動き出しているみたいよん。