プロンプター

ChatGPTは大規模言語モデルと言われている。

その仕組は知らない。ただ、その名前は知っている。

ディープラーニングの技術が採用されているという。

僕は「攻殻機動隊」が大好きである。

草薙少佐は自身の延髄にジャックを差し込み、膨大な情報空間にアクセスし、そして任意の空間を操作したり、そこから情報を持ってくる。

ChatGPTについて詳細は知らないけれど、草薙少佐の延髄からの世界観をイメージしている。

ChatGPTは大規模言語モデルという名が示す通り、ことばが主体になっている。

コンピュータの世界ではコンピュータが理解する言語に対し、ふだん僕たちが普通に使っていることばを自然言語と言うし、ChatGPTではプロンプトという。

オッケー。ややこしいし、ぼくは、ことばということばが好きなので、ここでは、ことばと言ってしまおう。

ChatGPTでは、ことばに対し、ことばが返ってくる。それだけではなく、ことばで問うと、それに該当するコードも返ってくる。

はなしは逸れるが、先日、NewsPicsで落合陽一さんが、ことばでChatGPTに指示を出していて、「あ、ふだん僕らがしゃべってることばで、プログラミングってできるんだ」ということが直感できた。このパフォーマンスといい、同氏の著書「デジタルネーチャー」といい、とても感心していたりする。

はなしを元に戻そう。

ChatGPTをためしていて、いくら、ことばで指示しても理解してもらえないことが、いくつかあった。

ことばを職業とするコピーライターとして、いこじになって粘着してやってみたが、わかってもらえなかった。ここは、やはりコンピュータ・サイエンス的なアプローチからの、ことばが必要なのかもしれない。残念ながら僕には、その文脈を一行たりとも書くことはできない。

ChatGPTに理解してもらえないこととして、笑点の大喜利でやっている「謎かけ」が理解されない。たとえば「フランス料理とかけて、円と解く。そのこころは「両方ともハシ(箸・端)がない」が、いくら、ことばで問いかけても理解されない。

「1から始め、お互いに最大連続する3つの数字を言い合い、20を言ったら負け」というのも理解されなかった。

そのほかにも、いくつかあるわけだが、やっているうちにフラストレーションが溜まってくる。ま、その一方で「攻殻機動隊」の草薙少佐のように情報空間の深部にアクセスできないから、と思ったりもする。

AIにどういうことばを話しかけるのか。それを職業にするプロンプターという職業がアメリカには既に存在しているようである。