産業革命というと、水蒸気を利用した18世紀のイギリスを思い浮かべてしまう。しかし、「限界費用ゼロ社会」(ジェレミー・リフキン)の前段には、一般的なそれ以前に、原初的産業革命があったことに触れられている。まとめておこう。

ヨーロッパの封建社会において、この世のものは被造物(神の創造物)の裁量にまかされていて、被造物を頂点にヒエラルキーができあがっていた。すなわち、社会的だけでなく、経済的なものまで被造物に帰属していた。

700年以上にわたり続いていた封建社会は、イギリスのチューダ王朝(ヘンリー8世からエリザベス1世)のころから変容していく。

何百万の農民が自明であった土地から立ち退きを求められ、自由契約に基づくことを余儀なくされた。

その結果、都市に流入する農民が急増し、食料の需要が増大した。そのせいで悪性インフレが引きおこった。一方、封建領主たちの受け取る地代はインフレ以前の料率だったため、彼らたちは、しだいに苦境に立たされていく(「資本主義の終焉」(水野和夫)にも、ペストによる人工激減とともに、このへんは描かれている)。

このころ、土地の売り手と買い手に契約の義務を果たすように、法律も整備されていった。

そして、もうひとつ重要なことがある。鋤の改良、牛から馬への移行、水車の活用など、テクノロジーの進歩である。とりわけ印刷の普及は、コミュニケーションに革新をもたらした。