「帳簿の世界史」(ジェイコブ・ソール)は良書だとおもう。

ちなみにタイトルの帳簿は複式簿記を示しているし、世界史の世界とは、イタリア、オランダ、イギリス、フランス、そしてアメリカを指している。

複式簿記は事業を把握するためには必須のものだ。

ただし、それを公開するとなると、ちがう要素が入ってくる。

内々なら良いのだが、当事者は公開するにあたって、きれいに見せてしまうことが多々あるんじゃないか。会社なら投資家や金融機関の手前という側面もあるけれど、ま、これは人の性なのかもしれない。だって家に人を呼ぶとき、部屋を掃除したりするじゃないの、

って、ハナシが脱線してしまいました。「帳簿の世界史」という本についてである。本書でイチバンおもしろかったのは、以下のような、フランス革命前後のエピソードなのだ。

18世紀のフランスは破産状態だった。にもかかわらず、フランスは自国の財政状況を知らなかった。

1774年に即位したルイ16世は、アメリカの独立戦争に伴う混乱の中でもともと巨額だったフランスの債務がますます膨れ上がり、もはやどこからも借りられなくなったことに気づく。

もはや借金もできず税収も増やせないとあって、ルイ16世はスイス出身の銀行家ジャック・ネッケル(1732〜1804年)を財務長官に任命する。

しかし、ネッケルの政策に反対する人も多かった。そのため偽の税収を載せたパンフレットを市民にまき、ネッケルを追放する人物も現れた。

そこでニッケルはフランス絶対王政上初めて、財務報告を公開する。

民衆は宮廷と王室にかたよった費用にショックを受ける。このことは、やがてフランス革命を引き起こす一因となってゆく…