まず日本という国は、太古の昔からあった、というわけではない。
これは、司馬遼太郎さんや歴史家の網野さんの受け売りだけれど、
どうやら室町以前と以降の日本は違っていたらしい。
室町時代以降、日本の商品経済は発展していき、自然や人の心より、むしろ、お金やモノに心が奪われる風潮になっていった。
それ以前は、もっと、人は素直で伸びやかな気持ちを持っていたかの知れないよね(最近、室町以前のものに触れてみたい気持ちもあったりする)
明治維新以降、日本は西欧化が取り入れられたという。
ほんらい西欧では、根拠もない冒険が好まれた。王朝がお金を出資し、太平洋に出ていくような。それに対して、イギリスのある地域では、将来の収支を考えてやっていく習慣があった。こちらは少数派だった。けれど時代とともに、世界の主流になっていった。孤島で収支を付ける「ロビンソン漂流記」は、それを象徴する物語だである。こちらは大塚久夫さんの受け売り。
いわば、近代化の旗頭ともいえる西欧の資本主義を、明治以降の日本は、意外にスンナリと受け入れ消化していった。日本は屈託がない(今までのことを捨てて新しいものを取り入れる)などと、つい自嘲気味になりがちだけれど、これは、むしろ室町から続く下地があったからかもしれないという説。