「生涯弁護人」(弘中惇一郎)を読み終えた。
上下版のように「事件ファイル1」と「事件ファイル2」の2冊になっている。
前者はすべて目を通した。
後者になると、案件により、短い章になっていて、いくつかの章は飛ばしてしまった。
両著とも図書館で借りて読み、読了した昨日、返却した。
いま手元にはないが、思いつくままに、三浦和義とカルロス・ゴーンの章が記憶に残っている。
三浦さんの事案は、ワイドショーでよくやっていたし、「ロス疑惑」「保険金殺人」といったキャッチーなフレーズが思い浮かぶ。なんとなく、その時の感じが残っていたけれど、本書を読んで印象が変わった。むしろ好感を持つようになった。
ゴーンさんの案件については、検察と日産(おそらく)経産省の結託の疑念がある。
ライブドア事件、(たしか)陸山会事件、そしてゴーンさんの事件は同じ検索の人が旗振りしていたことも知った。
近くに官僚はいないし、いままで官僚は飲み屋で隣り合わせて、2,3言葉を交わしたことはない。ただ官僚というのは、何となく法をもとに公正に処理する印象を持っていた。しかし本書から得た知識、それに森友学園の理財局長の答弁に合わせた書類の改ざん、現在「週刊文春」の取材記事で話題になっている、警察庁のトップの発言を受けての真実の改ざん疑惑から、官僚の、組織のために事実を変える印象を強く持った。
検察はまずストーリィを作り、それに合わせて事情聴取し、書類を作っていく。そのストーリィに合った証言を引き出そうとするし、違っていたり、黙秘すると、別件で留置場の勾留を引き伸ばす。ゴーンさんは、検察が思った通りの証拠が出てこないので、裁判を伸ばし、勾留を伸ばしたという(勾留中に証拠を見つけようとしていた)という。とんでもないよね。