AIがさかんである。その多くはディープラーニングの急速の進歩による。
ディープラーニングは、大量のデータを必用とするらしい。
データをふるいにかけ、またそれをフィードバックしながら、プログラマーの介在は必要とせず、学習していく。
ところで、脳というのは、どうだろう。
クラウドコンピューティングとちがい、じっさいの脳はそんなに多くの情報を記録できないとおもう。
しいていえば、情報を抽象化しているか、あるいは情報をタグ付けして、必要なときに引き出しているのかもしれない。
ま、これは自分なりに考えてみたことだけれど。似たような内容が「習慣の力」(チャールズ・デュヒッグ著)の中に書かれている。
ここではネズミの実験が紹介されている。まず T 字型の通路を用意する。そして T 字型の通路の左側にはチョコレートを置く。そのなかにネズミをおくとどうなるか。
ネズミは、さいしょ T 字の I を行ったり来たりする。つぎに突き当たりに行くと、さいしょは、せわしなく匂いをかいだり、立ち止まったりしながら、チョコレートの置いていない右側にいったり、置いてある左側に行ったりする。
そのさいの(ネズミがウロウロしているあいだの)ネズミの脳の働きをみてみると、脳、とくに、いちばん深い基底核(きていかく)が猛然と活動しることが見てとれる。
そして、チョコレートまでスムースに行けるようになるにしたがい、脳の活動は低下していく。
脳は、ただチョコレートにもっとも早くたどり着ける道筋を思い出すだけでよくなる。
このプロセスは、いくつかのものをシンプルに記憶するチャンキングとして知られている。わたしたちの日々の何百という行動は、このチャンキングにたよって行われている。