部品や製品には、それぞれ、アーキテクチャがある。
こんな体験がある。
いぜん、ワープロがあった。
ワープロとは、ワードプロセッサーの略で、文字どおり、ワード(文字)をプロセッサー(作る、つまり打てる)機械だ。
ワープロは、文字を打つアーキテクチャーになっていた。
ディスプレイがあって、キーボードがあって。やがて、ワープロと似ているカタチの機械が勢いをつけてきた。パソコンである。
パソコンは、文字を打てるし、表計算や、イラストを入れた年賀状だって、つくれる。
それを意識して、ワープロも多機能になっていった。がしかし、もともとワープロは文字を打つ専用のアーキテクチャになっていたため、パソコンのマネができても、「木に竹を継ぐ」ような感じになっていったんだね。
ま、こういう感じは、ほかにもありまして。
さいきんなら、CPU(演算装置)なんて、そうじゃないかねぇ。
NVIDIA(エヌビデア)はGPUを作っている会社である。
GPUはもともとゲーム機の中に組み込まれていて、画像を処理する際に使われていた。がしがし、ディープ・ラーニングがリードするかたちのAIブームの中にあって、ゲームだけではなく、AIと親和性の高い(ことがわかった)GPUが、げんざい、とても注目を集めている。
グーグルは、Tensoflow(テンソフロー/AI用のフレームワーク)専用のTPUを独自に開発しているし、アップルのiPhoneXや、さいきん発表されたバカに高い 新製品には、アップル製のAIチップが搭載されている。
そして、いままでパソコンの中を独占していたと言ってよいインテル製のCPUは劣勢を強いられている。
ながいあいだ主流をつとめてきたインテルのCPUのアーキテクチャは、AIに最適化されていない(行列計算等には不向き)。
ちなみに、iPhoneは、どの機種も似ているけれど、あたらしい機種に搭載されているAIチップは、なんと6億個のトランジスタが搭載されているんだって。