明治維新について、いくつかの論考を読んでいる。
たまたま、そうだったのだろうか、あるフレームに歴史をグイグイ押し込むような、ま、そんな解説だったわけ。
そのフレームについての下地もない。用語の意味もよく分からない。ブルジョワって、何だっけ?
オッケー、司馬遼太郎について語ろう。
司馬さんは資料を読みあさり、その中から友だちを見つけ、ストーリに展開していく作家だ。人物が歴史を動かす描き方をしている。
その基準は、好きか、どうかなのだと思う。
とりわけ司馬さんの世代は、とうじ流行りの思想に浸かった人が少なくなかったけれど、司馬作品には、そんなところは、まったくない。
ま、もっとも、司馬さんの見方は、独特の「司馬史観」と呼ばれることもあるけれど。
司馬さんはイデオロギーを嫌った。
イデオロギーとは、「好き/きらい」ではなく、「正しい/正しくない」が体系化されたものだ。
何人も集まれば、それは党派性を帯びてきて、正義を主張するグループが、(それとは違う体系の)正しくないグループを排除したりもする。
もっと大きくなっていくと戦争にもなっていく。日本の日中戦争や太平洋戦争がそれだったりする。