うまく書けないので詳細は省くけれど、吉本隆明は、価値について、たびたび触れているとおもう。
ある世代のある人たちにとって、吉本さんは熱狂的な支持を得ている。ただ、それは思想的な(ことばの)範囲に留まっている。
唯一、それを実践しているのが糸井重里だと思っている。もちろん、これは個人的な感想だ。
「コピーライターって誰だと思う?」
そう質問すると、必ず「糸井重里でしょ」という答えが返ってくる。
けれど、市井ながら同じ職業の者から言えば、糸井さんは、通常のコピーライターとは異業種だと言ってよい。「それ、違う仕事だよね」と言っても、いいくらい。
コピーライティングの多くは、レトリックになっている。ネットによる情報空間の広がりにともない、それは、もう普通になっていると言ってもよいのではないか。
それに対し、「コピーには案がつまっている」といったのは、コピーライターの大先輩、土屋耕一さんだ。
糸井さんの場合は、個人的には「コピーには価値がつまっている」という感じがしていて…
いや、ちがうな、まず価値があって、それにあてはまるコピーを練っている感じかしらん。
吉本隆明さんは(たぶん)「価値には、上も下もないんだよ」という発言をしているとおもう。正しい/正しくないということも、ない。
糸井さんも、おそらく、そう思っていて、さらには「そのひとなりの、好きなことが大切」と言っている、とおもう。
その「好き」を推し進めて、言葉だけでなく、事業(ほぼ日/上場企業)にまでしていったという。これ、ほぼ日以外、誰も実践していないとおもったりして。