「帳簿の世界史」(ジェイコブ・ソール / 村上章子)を再読した。
力作であり、良書だと思う。
終章にあるように、本書の教訓は「会計が文化の中に組み込まれた社会は反映する」(p334)という所にある。
さらに、そのキーポイントは「会計が教育に取り入れられ、宗教や倫理思想に根付き、芸術や哲学や政治思想にも反映されていること」(p334)である。
翻って、現在はどうだろう。
会計は倫理よりむしろ収益の手段となっている感さえある。
そればかりでなく、会計は複雑になり(プロと言われている人にさえ、ときには)把握できないものとなっている。たとえばリーマンショックの予見。