1Q84

村上春樹の長編小説は1冊以外すべて読んでいる。その1冊さえ読んでしまえば、「すべて読んでいる」って言えるんだ。そのようなヨコシマな考えがなくもない。けれど、小説はフッと読んでみようという瞬間があって。その瞬間が来るまで、その一冊は読まないだろう。

現在「1Q84」を再読している。その引き金になっているのは、安倍元首相への狙撃事件だ。

ちなみに山上被疑者の事件の動機にについて、以前のブログに書いたとおり、彼の母親が入信している世界平和統一家族連合(元統一教会)よりむしろ「41歳、派遣社員、失職中」という属性の方に目が行ってしまう。要は宗教より社会問題として捉えている。

旧統一教会はテレビのワイドショーでも連日取り上げられているようだ(テレビは見ないけれど、SNSで何となく知っている)。

旧統一教会の会員数は現在10万人を切る感じらしい。このくらいなら、例えば参議院の全国区で、ある議員の基礎票プラス会員の投票により1人当選させるくらいだ。

霊感商法については(法律名は忘れてしまったけれど)消費者関係の法律の改正により、その時支払ったお金でも後日納得が行かなければ、弁護士を通じて返却されるようだ。

旧統一教会が以前話題になったのはオウム事件が引き金になっていて。その当時に比べ、現在の同教会はそれほど力を持っていないと推察している。

そもそも宗教は心の中にある、とおもう。それは外部からは計り知れないし、本人にとってもよく分からないだろう。科学のように仮説・反証することが出来ないから。

少なくとも、ある宗教を考えるのなら、その宗教について情報を多く持つか、あるいは自分の宗教の立場をはっきりさせて相対化した方が良いとおもう。

村上春樹の「1Q84」には宗教的環境で育った2人の女性が登場する。青豆と、ふかえり、である。

青豆の両親は宗教を中心とした生活を送っている。青豆は小さい頃、布教のため母親に連れられて戸別訪問した体験を持つ。しかし青豆は高校生になったとき(だったかな?)、母親とは決別し一人で生きていく選択をしている。

ふかえりは、小さいころ、教団の、山梨の閉鎖したコミューンの中で育っている。

前者はエホバ、後者はオウム真理教を暗示している。

今回の山上容疑者の一件で、「1Q84」が再ブレークしているという話は聞かない。現在、日本で同書を読んでいる人は何人いるだろうか。

気づいたことを、お気軽に。
公開まで、やや時間がかかりまーす!