人は正しさを知らない。

近ごろ左翼・リベラルや右翼という言葉を耳にするようになった。

ユーチューブをチェックしていて、たとえば「こちらは左翼系かな」などと、何となく、そのような印象を持ってしまう。

ただし僕らの世代以下、少なくとも僕はイデオロギーに実感を持ってはいない。

一回り上の世代なら学生運動、そのまた上の世代なら安保闘争があった。

(もちろん一部の若者たちだけだったけれど)彼ら彼女らは「政治の夏」を体験しただろう。現在、旧統一教会により表舞台に出てきた勝共連合は、安保闘争の左系に対して設立された団体らしい。

僕たちは、その当時のカリスマ的な存在だった人の著作なら読むことはできる。

吉本隆明はその一人でしょう。

母親の他界に際し、同氏の著した「宮沢賢治」「親鸞」に関する書籍を読んでいる。

いずれも熟読させらせた。

吉本さんの「親鸞」は宗教関係者から的外れの評価もある。

残念ながら僕には判断が付かない。

正しさを知りたい気持ちがたっぷりある一方、吉本さんの解釈を吉本さんの文体で読みたい感じもある。

解釈なので、俯瞰してみれば、これは、あくまでも個人ならではのバイアスになる。

「ファスト&スロー」によると、人には直感によるバイアスがかかっていて、また自分にわかりやすいストーリィに納得する特徴がある。因果関係ではない、相関関係は苦手だ。後者は統計やAIの得意分野となる。認識や予測は統計やAIの方が断然、正解率が高いという。

ユーチューブのおかげで、いろいろなことを知ることができる。

吉本さんの著作を正しいと信じ、それに注釈を付けたり、人生の多くの時間を費やす学者がいることも知った。

失礼ながら「これって、時間がもったないなぁ」と思いったりして。逆に言えば、吉本さんは罪作りの人である。

これからAIは予測や診断をする人の能力を間違いなく否定する。アナリストや、それに弁護士や医師といった先生は、頭をひとつ入れ替えるほど認識を変えざるを得ない。

一方で、その人らしさ=バイアスが、とても引き立っていくように思う。




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