ぼくには学生運動のイメージがある。
ただしイメージこそ持っているが、実際に参加したことはない。
なかには同世代でも関わってきた人もいるかも知れないけれど、
いわゆる安保世代は2まわり上だし、全共闘世代は1まわり上である。
ぼくの親鸞の知識は吉本隆明の書籍による。
その他にも対談やインタビューを通じて吉本さんの言葉に触れている。
知らず識らず、なんとなく影響を受けているかもしれない。
多くの読書に親しんできた今なら、
主著とされる「共同幻想論」を少しは理解できるかもしれない。
学生運動をしてきた人の中には、吉本さんの著作を一行一行、熟読するような、
ま、言ってみれば吉本さんに人生を捧げてきたような人もいるとは思っていた。
じっさいYouTubeで偶然見た、吉本さんの著作を解説している人に、
そのような印象を持った。
吉本さんにこそ正解があり
(たぶん)70歳過ぎまで膨大な時間をかけ追い続けて来たような。
YouTubeでは2,3人の人に同様の印象を持ったけれど、
吉本さんに、ぞっこんな人はもっと多いだろう。
でも、その人たちは、ぼくたちに何を残してきただろう?
ぼくは吉本さんの智慧を吸収し成果を出しているのは、
コピーライターの糸井重里ひとりだとおもっている。
糸井さんは上場企業を経営し仲間たちを集い、
ネット上に、ほぼ日というプラットフォームを持ち、
じぶんたちのアイデア、こだわり、好きなことを発信したり共有している。
一方で、ほぼ日手帳をはじめ、さまざまな、こだわりの商品を送り出している。
そこで、なぜ糸井さんは、そういうことが出来ているんだろう?
ひとつ言えることは少なくとも、いちコピーライターだけでは出来なかった。
お互い好きなことを共有するチームを組んでいる。
安保世代、全共闘世代の人たちはこれが出来なかった。
じぶんの正しさを主張し、同じ意見の人たちで(ことばは悪いけれど)つるんだ。
ほぼ日は、正しさよりむしろ好き、を大切にしているとおもう。
その好きを仲間たちと共有している。
正しさより「こんなことが好きなんだ」と言うことの方が大切なんだね。