APIはわかりにくい。以下、「ウェッブ進化論」(梅田望夫)P122〜124からの孫引き。元は「OSにおけるAPIとネット上のサービスにおけるAPIの違い」(中島聡氏のブログ)より。備忘録として。
OS(オペレーティング・システム)とは、一口に言えばコンピュータ上にあるファイル・システム、グラフィック・ユーザーインターフェイス・システム、タスク管理システム、などの各種システム・サービスの集合体のことである。ユーザーはユーザー・インターフェイスを介して、プログラマーはAPIを介して、それらのサービスとなりとりする。
従来型のOSにおいては、そういったサービスは全て対象となるコンピュータそのものの上で実装されていた。そのため、そういったサービスで出来ることは、「画面に円を描く」、「現在時刻を知る」、「ハードウェア上にある音楽ファイルを探す」など、そのコンピュータ自身が単独でできるものに限られていた。25年ほど前に作られたMS-DOSも、2006年に発売の予定されているロングホーン(マイクロソフトの次世代OS)も、その意味では全く同じである。
一方、グーグル、アマゾン、ヤフーの提供するサービスは、「経度・経度で 指定した場所の地図を表示する」「シアトル・マリナーズが今戦っている試合の状況を取得する」「今週の日曜日に渋谷で見ることの出来る映画のリストを取得する」「ワシントン大学のビルの上に設置されたウェッブ・カメラの向きを変更する」「自分と同じレベルのチェス・プレイヤーを探して、対戦の申し込みをする」などの、より我々の生活や仕事に密着した、実世界と関わりのある情報を取得したり、実世界にあるものをコントロールしたりするサービスである。