ダライ・ラマの本は、日本でも、多く出版されている。
そのなかでも、「The Art of Hapiness」(「こころの育て方」)には、ほかとはちがう、すぐれた点がある。
本書は、アメリカの精神科医がダライ・ラマに行った数回のインタビューをもとに、まとめられている。
すぐれている点のひとつは、西欧的なこころのアプローチから、チベット仏教の考え方に迫ろうとしているところにある。インタビューも「直球」が投げかけられている。
もうひとつの、すぐれている点は、インタビューを受けているダライ・ラマも、チベット仏教的なことと、一般的なことを区別して、細心の注意を払って語っているところだ。そのうえで、チベット仏教の視点から、日常生活に応用できる対処法が語られている。ナイーヴな問題だわナ。