もう2、3年前になるのかなぁ。TOTOの取材で、上越市(新潟県)を訪れたことがあった。
ざっくり言ってテーマはトイレだったけれど、取材先が瞽女(ごぜ)記念館だったこともあり、瞽女のハナシもうかがうことができた。じつは本題のトイレより、瞽女のハナシを聞く時間の方が長かったりした。いまだから言うけれどネ。TOTOよ、スマン。
新潟というのは、目の不自由なひとが多かったらしい。瞽女も多かった。とくに上越は大きな瞽女屋敷もあったし、人間国宝になるような、象徴的な瞽女もいらして、少しでも調べさえすれば、上越という地名に行き当たるだろうよ。
げんざい「ハンセン病 重監房の記録」を読んでいる。瞽女もそうだけれど、ハンセン病というのも、すでに物語の中でしか触れることができない。もののけ姫と対立する女性の頭(かしら)が世話をする、顔や手に包帯を巻いている人たちが、そうだとおもうし、名作「砂の器」の中では、とても印象的な場面がつずられている。
瞽女やハンセン病、それに(とうとつと思われるかもしれないけれど)オウム事件は、どこか根っこに共通点があるような予感がしている。それが、なんなのか、ずっと静かに考えつづけていこうとおもう。