ちょっと、大きなことから入りたい。ユーラシアの緩衝地帯についてである。

価値観や宗教観のちがうもの同士が隣接するのは、はなはだ都合がわるい。そのさいは、ワンックションが必要とされる。

ヨーロッパ、ロシア、イスラムにとって、緩衝地帯としてのシリアやトルコは重要だし、中国、ロシア、日本、アメリカにとって、朝鮮半島は肝要といえる。

その緩衝地帯が不安定で、最悪、戦火をまみえたときは、歴史的な大事件になってしまう。

たとえば十字軍遠征、第一次世界大戦、そして日露戦争、第二次世界大戦などがあげられるおもう。

「アラビアのロレンス」という映画が好きである。

この映画では、ロレンスがひとり砂漠をさまよい、偶然であったアラブ民族を率いて、トルコ軍と戦った印象がある。しかし、そんなわけはなく、ロレンスはイギリス軍の意向を受けていたし、その背景には、同国の新内閣における意向が反映していた。

フランス代表部は、メッカ隆起のあと英仏が協力して中東戦略を進めるべきとした。一方のイギリスは軍兵を大々的に展開したいと思っていた。しかし、連合軍としては、戦線全体から、いち地方であるアラビアに兵力を割くのは避けたいと思っていた。ジレンマをかかえていた。

しかしイギリスの新内閣誕生により情勢は変わった。西部戦線での膠着状態への打開策として、中東に積極攻撃を実施することに方針を変更した。トルコ軍が移動して戦線が不測の状態になる前に抑えておきたい意図もあったかもしれない。

これが「アラビアのローレンス」の背景。そして、映画でも描かれているアカバ攻略につながっていくわけネ。