昨年読んだ書籍の中で、「探偵 ジョン・スノウ」は印象深かった。蔵書にしたいほどだ。
書籍のタイトルに「探偵」がついているので、推理小説のように思われるかも知れないが、本書は、疫学の基礎を築いたジョン・スノウの、いわば、ノンフィクションと言える一冊となっている。
かつてロンドンでは、集団で死亡する現象が相次いだ。
医師であるジョン・スノウは、その原因を探るため、関連する家を1件1件、つぶさに歩いて情報を収集し、分析した。
さくねん読了し、すでに記憶にあいまいになっているけれど、スノウは、ある特定の井戸に起因することを主張した、とおもう。
原因は、現在、コレラと呼ばれるものだった。ただコッホが病原菌を発見するのは、さらに後の時代であり、 当時は、悪い空気が舞い降りてくる瘴気(しょうき)説が主流だった。
その名が知られているナイチン・ゲールさえ、この説を支持したし、気候により大気から舞い降りてくるという、現在からすれば珍説を唱える人さえいた。
ジョン・スノウの説が受け入れたれたのは、彼の死語だった。友人の支持によった。げんざいスノウはデータを集め、その因果関係を探る疫学の祖と言われている。
さらに言えば、後世の統計学にも大きく貢献している、らしい。
統計学を学んだ友人によると、統計というのは、とても退屈な授業だったという。ま、昔から地味目の存在だったことは想像できるけれど、
ただし、現在においては、統計という言葉は注目を集めている。厚労省のデータの不正疑惑によるものだ。
この国では、前向きというより、皮肉から、モノゴトが前にすすむ場合が多々あるようである。
いずれにせよ、統計は、これから重要になっていくでしょう。
「統計学は最強の学問である」という本が、話題になったりした。じつは、ジョン・スノウの名前を知ったのは、本書のおかげである。本書の続編である「数学編」では、昨今人気のあるディープラーニン(AI)の理解を統計学の切り口から求めている。
「数学編」は、さすがに、途中でページを閉じた。保留中、かな