ジョン・ロックの解説を読んでいる。
政治経済の授業で、三権分立を唱えた人のように教わった気がするけれど、残念ながら、教科書など残っていないので、たしかめようがない。
書籍のなかで目を引いた一文がある。引用しよう。
「蓋然知という薄明のうちに書いた人間の善き生の規範を認識することがキリスト教の存在根拠そのものを記している」
クリスチャンであるジョン・ロックにとって、神は沈黙している。けれど「一生懸命になれば(沈黙以外の)神が人に与えるメッセージは分かるだろう」的なことだろうと、おもう。それがジョン・ロックの指す理性かもしれない。
いま中国の台頭が注目されている。しかしヨーロッパ、あるいはアメリカが主導している世界は、せいぜい、ここ300〜400年くらいでしょう。もっと俯瞰すれば、おおよそ世界の中心は中国やイスラムだったとおもう。
欧米が近世、近代に台頭したのは、数学から複式簿記まで、さまざまなツールが開発されてきたからだとおもうけれど、その根本には、やはりプロテスタントから派生したパラダイムがあるのではないか。パラダイムから派生した個人主義。そもそも日本には、そのような価値体系がないわけで。漱石の小説なり講演なりから読み取れる個人主義は、ヨーロッパからすると、とてもユニークなものだろう。