中世のヨーロッパの学校は、教会主導でカトリックの教えに準じていた。商取引は、むしろ、さげすまされていた。なので、アラビア数字による10進法は、もっぱら商人を中心に浸透していった。複式簿記は商業の中心地、ベネチア(イタリア)、そしてネーテルランド(オランダ)で発達していった。
ちなみに、学術的には、数学はアリストテレスの形而上的な考え方が主流で、計算すると言えば、占星術(天体)の分野であったという。しかも、それには60進法が用いられていたという。
(「少数と対数の発見」(山本義隆/日本評論社)
資本を集めた商売と、複式簿記には深い関係があるでしょう。
資本を集めた人どうし、複式簿記で年次の資産を確認しあい、配当金額を合意した、とおもう。
支店を出すほど大きくなった事業は、やはり年次ごとに、経理の責任者がそれぞれの支店のバランスシートをチェックしたに、ちがいない。
ビジネスだけではなく、キリスト教からの資本の集積に関係するアプローチがあった。
プロテスタントから天職というコンセプトが生まれた。文字どおり、天から授かった職をまっとうすることは善であり、また一方で節約から生まれた利益も善である。得た利益は持ち寄って、やがて大きな資本となっていった。
もちろん、こちらは、オレが考えたストーリィではないよ。マックス・ヴェーバーの著名な本には、たしか、そのように買いてあったとおもうんだよねぇ。