YouTubeやNetFlixに時間がとられているからだろうか、
以前にくらべ、本を読まなくなった。
そのほか、SNSやゲームに時間を費やす人もいるだろう。一般的に、本は読まれなくなっているのではないか。
早いもので、暮が迫っている。
ことし印象に残っている本をあげるのなら、「福翁自伝」と「サードドア」である。
2冊を「交際」の視点から書いてみようと思う。
作者2人の交際の広がりは、常人には、とても届かない。
福沢諭吉は下級武士出身だ。当時は士農工商の身分制度の時代である。武士にしか邂逅できない交際があった。福沢には、その土台があり、そこからスタートし、適塾での大阪、その後の東京の人脈につながっている。もちろん、それは武士だから出来たのではなく、稀に見ぬ福沢の才覚と人望から来ていると思う。
一方、「サードドア」のアレックス・バナヤンは、ビル・ゲイツ、レディ・ガガといった著名人にインタビューする目標を立て、人脈ゼロからスタートしている。
ちなみに「サードドア」は、日本語で「第3の扉」である。著者曰く、
「第1の扉」は、入れるかどうか分からないに行列を作っている99パーセントの人が並ぶ扉で、
「第2の扉」は、生まれながら良いポジションにいる人や、著名人しか通れないVIP専用の扉である。
そして本題になっている「第3の扉」は、工夫を重ね何百回もノックしてようやく開く扉である。
福沢の自然の交際に対し、アレックス・バナヤンのそれは(自分で切り開いていく意味で)自然に逆らっている。
前者は日本的というか東洋的で、後者は西欧的な感じがある。
僕は日本人ということもあり、自然な交際の方が、しっくり行く。
しかし一方では、とくに恵まれた人脈を持たず、時代の大きな変わり目の中、自然な交際(つまり縁だね)というのも、どうだろうと思いもする。
こういう感じに対し、どう折り合いをつけたら良いのだろう。
それについては、明日、あらためて書く(かも知れない)。