エートス

大塚久雄を読んでいる、

と言うわりには、大塚さんがどういう人なのか、調べてもいない。

社会学か社会科学の先生なのかな、と思ったりしている。

もっとも社会学と社会科学の違いさえ分からないけれど…

「社会科学における人間」を現在読んでいる。

3章目では、マックス・ヴェーバーについて解説されている。その中で、エートスという言葉が何度か出てくる。そう言えば、何かの本を読んでいて、エートスが出て来たりして、気にはなっていた。

本書では、エートスの定義らしいフレーズに出会うことができる。ただし、マック・ヴェーバーによるエートスを大塚さんが解説したフレーズだ。

「思考と行動のなかに血となり肉となっている倫理概念」(124 ページ)

そして、このフレーズを解説する、ヴェーバーによる論文の、以下の例が紹介されている。

農業を経営する際、一定期間の借り取りに成功すれば利潤が高まる。

なので経営者は、労働者に対する出来高払いの賃金を引き上げる。

この方法は、イギリスあるいはドイツでは成功している(働けば働くほどお金がもらえるので、一生懸命働く)。

しかしポーランドのシュレージェンでは、賃金を2倍にしたところ、多くの労働者は2回のうち1回休む選択をした。イギリスやドイツとは逆の結果になった。それはジュレージェンの農業労働者たちには「伝統主義」と呼ぶべきエートスが息づいているからだ。

この場合の「伝統主義」とは、祖先から引き継ぎ、ずっとやって来たこと、いままで自分たちがやって来たことを、将来における自分たちの行動基準にしようとする倫理観だ。

日本は、なかなか変われないという。個人的にも、これからはデータに基づく社会(AIやブロックチェーンは、そのためのツール)に変わらざるを得ないと思っている。しかし、その歩みは、とても、ゆっくりだ。このことについて、マックス・ベェーバーのいう「エートス」で解説できそう。

気づいたことを、お気軽に。
公開まで、やや時間がかかりまーす!