当時、南青山に個人事務所があった。
原宿駅で降りて、表参道を歩いて事務所に通っていた。
原宿駅前にインターネットカフェがあった。
インターネットに触れたのは(たぶん)それが最初だ。
その時は、まだワープロで原稿を書いていた。原稿はフロッピィディスクに保存していた。
ワープロにモデムを装着し、(通話以外で電話回線を使うことは禁止されていて)電話線をハックした時は、すごく、ときめいた。
話しがそれてしまったけれど、やはり、原宿駅前のインターネッットカフェで次々に表示されるウェッブページをみたときも、やはり、かなり、ときめいた。
それから25年ほど、たった。
情報収集も買物もコミュニケーションも、インターネットの技術は、いまや生活とは切り離せない存在になっている。
ま、そのあおりを真っ先に、しかも、いちばん影響を受けたのは、僕たちの業界だったんだけれど、ね、
という話はさておき、個人的に、インターネットはずっと気にかけてきた。
(さっぱり理解できなかったけれど)技術書さえ読んだ。
ウェッブサイトもウェッブアプリも、自分で作ってもみた。
そして現在、ようやく以下のような感想を得ることができた。
「インターネットは世界中の人たちと価値を交換できる仕組みである。」
なに大げさなこと言ってるんだ、と思われるだろうなぁ、きっと。
でもね、このフレーズの肝は、それをエンパワーできるアプリケーションが、ようやく使えるようになってきた、あるいは使えつつあることにある、と思っている。
たとえばディープラーニングによる自動翻訳により、母国語以外でも価値を交換できるようになるし、
ブロックチェーンを使った仮想通貨により、お金と紐付いた価値も交換できるわけ。