話題作「三体」を読んでいる。
ネタバレになるので概略は書かない。
ただし、ハナシをすすめるため、このSF小説のキー・コンセプトとなる「暗黒森林」について触れておこう。
地球上の僕たちは、たとえ言語や文化が違っても、なんらかのコミュニケーションが図れる。
けれど、宇宙の、未知の知的文明とは没交渉にならざるを得ない。コミュニケーションなど期待できない。
なので、じぶんたちの世界以外の知的文明の存在を知った場合、イキナリ攻撃するのが合理的となる。
真っ暗で何も見えない森林の中で、敵の気配だけ知ってしまった場合、じぶんを守るために、そこを目掛けて攻撃する。
このたとえを引用して、この小説では、じぶんたちの世界以外の知的文明の存在を知った場合、イキナリ攻撃するのが合理的という仮説が立てられる。
これが「暗黒森林」説である。
げんざい新型コロナ、とりわけデルタ株が社会を動揺させている。
オッケー。コロナウィルスを「三体」の「暗黒森林」に、なぞらえてみよう。
コロナウィルスは人類にとって没交渉だ。
コミュニケーションできないので、ウィルスは、ただただ攻撃する。
一方、人はウィルスを攻撃できないので、ひたすら守勢となる。
マスクをする、手洗いをする、そしてワクチンを打つ。
「暗黒森林」的なことで言えば、人類はウィルスには勝てないということ。
菅総理は、かつて「コロナに打ち勝ったシンボルとして東京オリンピックを開催する」って言ってたっけ。
これ、どうかと思うぜ。