暴力の人類史

「暴力の人類史」(スティーヴ・ピンカー)を愛読している。

その中の「第4章 人道主義革命」について。

本書は、ヨーロッパに焦点が当てられている。

中世ヨーロッパでは、魔女狩り・異端審問・拷問が想像以上に多く執行された。

しかし17〜18世紀になると、これらの暴力が急激に減少してゆく。

産業革命により、実質所得は指数関数的に増えてゆく。

それにより人々が他人に対して同情的になった、という仮説を本書は採用していない。

なぜなら産業革命は、19世紀からのトレンドだから。

本書では、15世紀のグーデンベルグ以来の本の生産および識字率の向上が、暴力を減少させたという説を唱えている。それは、仮想的な文学作品でも構わない。

「物を読むことは、視点取得の技術である。誰か他人の考えが自分の頭の中に入ったとき、人はその人の視点から世界を眺めている。自分が直接見たり聞いたりできないことを取り込むだけでなく、その人の頭の中に入り込んで、一時的に彼(女)の反応や考え方を共有できるのだ」(p322)

気づいたことを、お気軽に。
公開まで、やや時間がかかりまーす!