レイモンド・チャンドラーを3冊ほど読んでいる。
もし「どの小説が一番おもしろかった?」と聞かれたら、思うように答えられない。内容をよく覚えていないからだ。これは何もチャンドラーに限らず、他の小説でも同様だ。
「大いなる眠り」の解説で訳者はチャンドラーの神話性について触れている。
たしかにチャンドラーの小説は、僕たちが共有する何か(理念とか憧れ?)を持っている。
僕自身、何らかの影響を受け、知らず識らずそれを「ものさし」にしている感があったりする。
チャンドラーのプロットは錬られている。
読者は内容を追うために、たびたび前のページをめくる事になるだろう。
もっとも、これはチャンドラー(探偵小説)だけでなく、推理小説も同様かも知れない。後者は読んだことがないけれど…
ま、いずれにせよ、ページをめくる楽しさのあるチャンドラーの小説は文庫本ではイケナイ。ハードカヴァーちゃなくっちゃ、ね。