「TCC年鑑」、それは一時期「東京コピーライター年鑑」と称していた。
年鑑という名前が示す通り、高価でブ厚い本である。なので必要に応じて図書館で閲覧することになる。
最新の年鑑をめくってみると、残念ながら、かつてのような憧れやトキメキはない。居心地の悪ささえ感じてしまう。
ちなみに年鑑には、東京コピーライタークラブの会員が1年間のコピーを総括し、選出された各賞が掲載されている。
審査員は持ち回りになっているようで、審査員の年齢をチェックすると50代、60代、御大は80代を越えていっらしゃる。
年鑑が輝いていた時期と、いわゆるコピーライターブームの時期は重なっている。広めにとって、78年から84年くらいと思っている。
(記憶の限りで書いているけれど)78年というのは、糸井重里という人がイキナリ年鑑に出現した年である。
以来、ご本人は嫌がられるかも知れないけれど、糸井さんはコピーライターの象徴である。
ここで言う象徴とは、広告に携わっている人以外に「コピーライターでって誰だと思う」と聞いてみると「糸井重里でしょ」と返ってくる、そういう意味合いだ。
話がそれてしまいました。
要は「TCC年鑑」は、もう微かに息をしている印象があって、
さらに言えば旧来の広告自体、窮地に陥っている。
そして旧来の広告は、テレビや新聞といった媒体の上で成立していることを改めて思う。
テレビや新聞はすでに自明の存在ではなくなっている。
テレビだって、いまやTverで生放送まで見れてしまうらしいし。
テレビや新聞に載る広告は高齢者に有効であって。作り手も高齢者なら意外と訴求するかもナ。
あ、これ皮肉です。