「大統領の陰謀」では、ウッドワードとバーンスタインが共和党の大統領再選委員会のスタッフたちの自宅を手当たり次第にたずねるシーンがある。
映画では触れられていないけれど、原作では、FBIの聴取は委員会本部で行なわれ、しかも委員会の弁護士が隣席した。
ここには、取材のヒントになる2つのポイントがある。
まずは取材する環境について。取材のさいには、場所と同席者により、取材者は言うことが違うことを示唆している。じっさいに、ウッドワードとバーンスタインは、自宅に足を向け、取材する利点について語っている。
そして、もうひとつ、映画をみていて気づくことは、彼らは、取材者に対して「メモをとりません」と言って、取材を進めている点だ。
げんざいでは取材に際して、メモというより、ICレコーダでの録音は、すでに当たり前になっている。
テレビやネットで、記者会見の前に記者たちが、いっせいにICレコーダを置く場面をご覧になったことがあるでしょう。取材をしたことのない人も、取材を受けた経験がない人も、ICレコーダの常態化は、あるていど、察しはつくとおもう。
で、このICレコーダに録音することについては、ちょっと、かんがえてみたい点なんですねぇ。