文庫本発行の、いちばん多い累計は、漱石の「こころ」だとおもう。
その理由は、わからない。
ただし、ぼく自身、「こころ」は、いちばん繰り返し読んでいる小説である。
「こころ」は、数年おきに読むたびに、印象が異なる。
内容が変わるわけがないので、変化しているのはむしろ、ぼくの方にちがいない。
「こころ」は、ぼくの合わせ鏡である。オッケー、このさい、そう言ってしまおう。
さいきん「草枕」が好きだとういう感想が目につく。
(いぜんは、そんことはなかったけれど)そうかも知れないねぇと、おもったりもする。
そういえば、「こころ」は、やるせないかもしれないなぁ、
って、オレ、心境が変化してきているのかしらん。