ぼくたちは、フェイスブックを、そんなにつかっていないだろう。
しかし、フェイスブックの全世界の一日のアクティブユーザーは13億人で、そんなに多く利用していない人を含めると22億人もいるそうだ。
それだけに(あまり日本では伝えられていなけれど)アメリカ議会で、CEOであるザッカーバーグが議会証言までした問題は、大きなトピックだろう。
事の顛末は、こういうことだ。
ケンブリッジ大学のアレキサンドル・コーガンは、フェイスブック上で「相性診断」のアプリを提供していた。学術的につかうのなら、そこで集めたデータを活用することは認められていた。しかし、コーガン教授は、そのデータを、じぶんの関係する会社からケンブリッジ・アナリティカという企業に提供していた。アプリのユーザーは20〜30万人だけれど、そこにはユーザーの友人のデータまで収集されていて、合計8700万人のデータが収集されたとされる。この人数は、アメリカの有権者のほぼ半分くらいである。
じっさいに、先のアメリカの大統領選挙では、そのデータ分析が使われていた。5つの指標ではかられた解析をもとに、ドナルド・トランプへの投票をうながすような広告が、それぞれのフェイスブックに打たれていた。
それに対し(禁止していた学術以外の利用に際し)フェイスブックは、当アプリの削除を行っていなかった。これが第一の問題。
第二の問題は、そのことが分かっていながら、ユーザーへのアナウンスを怠っていた点だ。
議会証言では、デジタル・リテラシーのない人の質問が指摘されたようだ。(そのことも手伝ってか)一方のザッカーバーグは、うまく切り抜けたという意見も多い。
もっともテック系の雑誌「Wired」などでは、きびしい意見も掲載されているらしい。読んでみたいですねぇ。