「ドライブ・マイ・カー」を観た。原作は「女のいない男たち」(村上春樹)に収録されている。
濱口竜介監督のインタビューをチェックしてみた。同タイトルに加え、短編集に編まれている「シュエラザード」「木野」の内容が加えられている。
個人的には、本能のままの無軌道な青年・高槻は主人公の家福のドッペルゲンガーであり、「海辺のカフカ」を想起したし、
ドライバーの、みさきとの車中の会話により家福が癒やされていく感じは「色彩のない多崎つくると巡礼の年」を思い浮かべた。
村上作品をたくさん読んできただけに、どうしても映画から「村上春樹らしさ」を見つけようとしてしまう。
現在では、村上春樹と百田尚樹は日本的作家だと思っている。
ここでいう国民的作家とは、発表すればミリオンセラーになる、というニュアンスだ。
なので村上春樹ということで、観客動員数の最低ラインは抑えられたのではないだろうか。
それだけに、僕だけでなく、映画を観た人の多くは、村上作品と比べてしまう感じにちがいない。
何も読んでいないひとが、この映画をどう評価するか、その点、ちょっと気になる。