「コピー年鑑」について

東京コピーライタークラブというのがある。

当クラブではその年の優秀なキャッチコピーが選ばれ、その結果は「コピー年鑑」に収められている。

直近の「コピー年鑑」をチェックしてみた。

今年出版されているので、生成AIは広く話題になっていて、 コピーライターと生成AIについての言及を期待していたからだ。

しかし残念ながら前書きのようなところにも何も言及されていなかった。

審査委員の中に秋山晶がいる。ウィキペディアによると満88歳となっている。

失礼ながら同クラブの長老と言ってよいとおもう。

たぶん1981年の「コピー年鑑」だったとおもうけれど、 その年の年鑑のキャッチフレーズは「コピーは僕だ」だった。

”コピーはどこまで作り手によるものか”という問いから、 当時はサブカルチャーが全盛だったのでその文脈でも語られていて、それはコピーライティングもサブカルチャーに位置づけられていて、 コピーライティングの世の中に大きな衝撃を与えられるのではないか、という鼻息のあらい議論もされていた、とおもう。

そういうのがあるからサブカルチャーより衝撃的なAIについて、できれば秋山さんの言及に触れたかった。何よりも生成AIはネーミングやキャッチコピーさえ生成されるのだから、その点について、秋山さんはどういう思いがあるのだろう。

コピー年鑑のページをめくっていて、これはかなり以前から同様の感想を持っているのだけれど、コピー年鑑は年鑑を審査している審査員のために存在しているのではないかと、おもっている。

豪華な装丁で、一方で販売部数は期待されないので、おそらく、どこかから別途お金が出ているのだろう。

例えば大手広告代理店とか。 そのへんが個人的にどうにも、おもしろくない。