マウンド・ゴックス事件

「仮想通貨3.0」を再読した。2019年5月30日初版。いまから2年半前に出版されている。著者はマウント・ゴックス社の運営に当たっていたマルク・カルプレスさんだ。

いまやマウント・ゴックス社の社名を聞いてピンと来る人はどれくらいいるだろうか。

ハナシは約8年前にさかのぼる。

マウント・ゴックス社の運営するビットコインのシステムがハッキングされ、85万ビットコインが盗み出された。

当時の価格で約480億円。ちなみに現在の価値で換算すると4兆円弱となる。

法律について詳しくないので、誤解、曲解を含む一人言なのだけれど…

本件は経済の出来事なので民事の範囲かも知れない。

けれど本件は刑事事件となり、事件から1年半後、マルク・カルプレスさんは逮捕されてしまう。

本書によると、容疑は私電磁的記録不正作出・同供与と、業務上横領である。

後者は検察側の誤りであり、後者については有罪となっている。

同じく本書によると、前者の私電磁的記録不正作出・同供与とは、電子データを不正に作り出した改変し、会社の事務を阻害する行為であるが、

「私は顧客の利益を守るために必要な措置を行っただけであり、己の利益のために改ざんした事実は一切ありません」(著者のコメント/p54)となっている。

話が長くなってしまった。本書の当事件の件(くだり)のポイントは以下の点にあるように思えた。

「日本の捜査機関に許容されているIT関連犯罪にかかる予算や人材登録の柔軟性は、諸外国に比べて余りにも乏しいゆえに、現状ではこのようなミッションを実現することは、きわめて困難だったと言わざるを得ず、その意味では、あまり日本の捜査機関を責められないところもあるのです」(P57)

気づいたことを、お気軽に。
公開まで、やや時間がかかりまーす!